「代表百姓」の名に賭けたプライドと心意気！
北海とかち農園は、十勝大樹町にて、おいしくて安全な畜産物をこだわりぬいてつくっている農園である。
現在は養豚業を中心とした食肉加工、販売までを一貫して営んでいるが、以前は 黒毛和牛の肥育を専業としていた古川代表。
その昔、テレビで見た美味しそうな「豚しゃぶ」を食べたくて、スーパーで購入した豚肉を使い早速自宅で調理。その結果、脂身の不味さに愕然。期待はずれの食事に肩を落とし、しばらく古川家の食卓に「豚しゃぶ」は上がらなかったそう。そこで『黒毛和牛肥育の経験をもってすれば、脂の質を上げるには自信がある。そうだ！自分で豚を育ててみよう』と一念発起。本当に脂身までもが美味しい豚肉をつくるために、自身のプライドを賭けて養豚事業へと乗り出した。
彼の名刺には「代表百姓 古川 行孝」とある。良い意味で仕事にプライドを持つ、古川代表の心意気を感じる名刺である。
採算度外視のオリジナル飼育法
現代の養豚では、輸入穀物を中心とした配合飼料で生産されるのが主流だ。だが、古川代表の「北海とかち農園」で養豚を始めたそもそものきっかけは「旨い豚肉をつくる」こと。
この農園の場所は北海道十勝平野。そこには海があり、山があり、日本一の清流・歴舟川（レキフネガワ）の水もある。草原を自由に走り回る豚は健康そのものだから肉質も良いはず...との考えから、夏と冬の寒暖差が60℃も有る厳しい自然の中で、一年中放牧する飼育法を試みた。
餌は当然、配合飼料は一切使わず唯一無二の『自家製オリジナル』。青森産りんご、十勝産ジャガイモやカボチャ、北海道産米、日高昆布、酒粕（みりん粕）を与えた。人間が安心して食べられ、しかも美味しいと思うものを豚にも惜しみなく与えたのである。
幻の銘柄豚 アップル草原ポーク
厳しい自然を生き抜いて育った健康そのものの豚。食肉としたときに目に飛び込んだのは綺麗に脂が散っているピンク色の肉。見た目から食欲をそそられる。そして試食。旨い！脂が甘い！
いつかのマズイ豚肉に対し、してやったり...とほくそ笑んだ古川代表。「アップル草原ポーク」と名付け、直販のみで売り込みをした。
採算度外視の独自の飼いかたのため、一般市場には卸すことは出来ないが、噂を聞きつけ、全国のレストランから少しずつ注文が入る。シェフ仲間の口コミから広まり、いまではお得意様のほとんどが飲食店様となった。
スーパーなどに一切出回ることが無いにもかかわらず、支持される豚肉。「幻」と言われるゆえんである。
十勝 夢天下屋 ＜飼育のこだわり篇＞
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